Eno.136 カレル・チャペク  砂塵団のみんなへっス! - ひだまりの高原

砂塵団のみんなへ

お手紙、無事に届きましたか?
きっと今、皆さんが読んで下さっていれば無事に届いたのだと思い文を綴ります。
(もしも砂塵団以外のヒトが受け取ったらお手数ですが砂漠地帯のオアシスまで届けて下さると幸いです)

ソラニワと呼ばれる異世界の浮島では短い間でしたがたくさんの思い出と経験が出来ました。
傭兵を続けているだけでは会う事の無い種族や身分の方とも出会いました。
文字にして書くにはどれだけでも書けそうなほどです。
話しても信じてもらえない自信があります。
それぐらいすごかったです。

武者修行の旅だと思いソラニワに行きましたがそこで出来た友人に思わぬ事を言われました。
『家庭的なことに憧れてたりするのかなあ』と。
料理とか洗濯とか掃除とか、そう言うのは砂塵団の雑用でこなしていたぐらいの認識でした。
でも確かに料理を作るのは楽しくて嫌いじゃなく、
そう言った平穏な生活……と言うのは悪くないな、と考えるようになりました。

団長達と戦って腕を磨く毎日はとても充実していました。
色んな相手と戦い、戦いの結末を見届けました。
直近で関わった自治領の一件は、砂塵団最大の戦いだったと思っています。

自分は暫く友人に招いてもらった異世界の森で暫く過ごそうと思います。
千年目を祝うお祭りがあると聞いて誘ってもらえました。
色んな種族のヒトが暮らしていて、良い所でした。

そこは平和で、穏やかで、賑やかな、そんな素敵な場所でした。
自分達の住む場所とは違う平和がありました。

だからでしょうか、その地の平和が続いて欲しいなと心から思うのです。
自分一人の力は些細ですが、彼女達の平和と平穏に力添えしたいと、思うのです。
と、いっても自分ができるのは家庭的な魔法を教えたり力仕事ができるぐらいですが。
出来る事をやっていきます。
もちろん、鍛錬も積んでいきます。

しかしたら向こうでずっと暮らすかもしれません。
それとも一時を過ごすだけになるかもしれません。
どうなるかはまだ、今の自分には分かりません。
なにせまだ始まったばかりですから。

……自分の、新しい生き方は。



追伸
必ず砂塵団の皆の元には顔を出します。
友人に砂漠地帯の夜空を見せる約束をしているので。
とってもいいヒトなので、砂塵団の皆には友人と会って欲しいです。
また手紙を出しますね。
どうかお元気で








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