Eno.206 リモネ  秘密はいつかバレるもの - あざやかな花園

一つ、リンゴジャムを沢山乗せて、味を誤魔化して食べた。

最後の二つは、魔女の友達と一緒に食べてみた。


もう、レモンクリームパイはなくなった。
でも、レモンクリームパイは苦手なままだった。

美味しく食べたかったのはほんとう。
だけど、苦手でも受け入れてくれるんだ、って、安心したの。


おばあちゃん、ごめんなさい。
おばあちゃんの得意なレモンクリームパイ、私、本当はおいしくなかったの。

おばあちゃんみたいな素敵な魔女になりたくて
ちゃんと魔女の力を引き継ぎたくて
おばあちゃんをがっかりさせたくなくて

とってもおいしいって、嘘をついたの。
ずっとずっと、隠していたの。

心変わりの魔法を使って、
レモンクリームパイを好きになろうとしたけど、上手くいかなかった。

魔法の力が強くなったらうまくいくと思ったけれど、
魔法でもできない事があるって、気が付いた、教えてくれた。

だから、本当の事をいって、ちゃんとあやまって。



レモンクリームパイを食べなきゃ、私は魔法が使えなくなるから
これはきっと、一つの戒め。
克服できたその日には、自由に魔法が使えるのかも。


帰ったら、ちゃんと報告しないとね。








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