Eno.113 メリジェ  6:友達からの手紙 - まぼろしの森林



メリジェへ

お手紙、読んだわ。楽しそうでよかった。
精霊たちともうまくやれてるのね。
あなたは『特別』だから、そうよね。

不思議だったの。
いつも泣いたり怖がってたメリジェが、
あの迷子の日から変わったことが。
私たちの想像もつかないような世界で、
たくさんのヒトたちと交流をして、
それが楽しいって思い出になって、メリジェを強くしたのね。

でも流石にゴブリンとは会えていないのね。
私の師匠の魔女様が言っていたわ。
昔、世界が夜に覆われていた頃は、夜の眷属たちは昼の眷属たちに悪いことをしていたんだって。
夜が長すぎたから、眷属たちもたくさん増えすぎてしまって、
自分たちで食べ物や住居を作れずに、ヒューマンや他の昼の眷属を襲っていたって。
ゴブリンは、その代表よ。
いいゴブリンならいいけれど、悪いゴブリンとは仲良くしなくていいのよ。
少なくとも私は気にしない。

メリジェにそっちでもお友達ができて、よかった。
オズにも伝えたら、「おれも書くか……」なんて言っていたから、
きっとすぐ返事が届くわよ。

観光も楽しそうだけど、お手伝いがあるんでしょ。
私たちのことは気にせず、がんばって。

ゴブリンのロザリーより








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