Eno.171 クローシア  Log_05『この森危険』 - はじまりの場所

さて問題です。前回の記録から今日までで、一体何匹のひつじに襲われたでしょうか。

──いや、ひつじだけではない。
くらげに、イシコロのようなモンスターに植物系モンスター、お約束のスライム。
そして────クマ

当初はくらげにすら太刀打ちできなかったが、今に至っては(何人かの力を借りて、だが)クマですら倒すことができるようになってしまった。
もはや倒したモンスターの数は記憶にないが、数十にはのぼるだろう。
一体なにがひつじを駆り立てるのか。……毛刈りのせいかな?
まぁ……突然平和だった森に、拠点であるマスターシェルの近辺を埋め尽くすほどの人々が現れたのだ。そりゃパニックを起こしても仕方ないか。

くらげの群れに追われた際、半ば押し付ける形になってしまったが、ヤツらをしばき倒してくれたクゲには感謝している。
ムキムキですごかったなぁ。何がとは言わないが半裸だったし……。
彼は森でよく見かけるし、何度も狩りを手伝ってもらったり鉱石の場所を教えてもらったりしていて、とても助かっている。

他にも庭園で知り合いになった司という少年は、自分たちと同じように異世界から訪れているらしく、そこは日本に似て非なる世界だと話していた。
その世界には異種族が数多くいるそうで、彼自身は人間だと言うが、魔法のようなスピリットを扱うことができるそうだ。
スピリット──エネルギー体────と言うと、トトも似たようなものだよな~なんて思ったり。
生命体として実体を持っているかの違いって感じなのかな?


そんなこんなで、戦闘まみれの日々の合間に庭園へ戻っては花壇の世話をしたり天気が回復するまで休み、地図を書きながら探索を進めること数日。
この森、やたらと濃霧が出て困ったが、トトと手分けしたおかげもあり四箇所のマスターシェルを発見。うちニ箇所を登録に成功。
まだ残りのシェルは目視できただけでたどり着けてはいないのだが、肝心のグランドマスターシェルはまだ見つかっていない。

遠出をするにも食事の必要があるこの世界では、ワープのできるマスターシェルを地道に見つけながら少しずつ進んでいくしかなさそうだ。
あまりに戦闘が多く、燃料となる木材を集める余裕もないため、今後はバラバラではなく一緒に歩みを進めるべきなのかもしれない。
探索日和ではあるが、今は物資を集めておこうと思う。




P.S.
うっかり日記を持って外に出てしまった際に敵に遭遇し、炎に巻き込んで一部ページが燃えてしまった……。
1~3の記録が消失したが、こんなこともあろうかとメモリーは別で残してあるのだ!! 自分エラい!
ただ、こうして紙に書き起こす作業は必要になってくるため、そのうちにぼちぼちやっておく予定。
さすがに歯抜けのページはなんか……アレだしね。








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