Eno.751 イェッタ  これから、 - まぼろしの森林

『生誕祭』。

ただの巨大な石塊いしくれだった世界に
大精霊が顕現し、遍く生命を芽吹かせた、
すべての生命が産まれた日。


イェッタ
「(その精霊も…ほとんど見る影もないけれど)」


『精霊の落日』が訪れ、
代わりに異形が蔓延るようになった世界。


それが自分の元いた場所だ。


そんな荒涼とした世界とは対照的に
豊かな島の風景に視線を移す。
花の甘い匂いが香る茶を飲みながら、
思考に耽る。

あの精霊らしき案内人の少女が言うには、
どうやら、ここでできることは終わり、
当分動きがないらしい。

かと言って、自分は『眠り』から
目覚めたらここにいたのだ。

戻るにしろ、どう帰ったものか、わからない状況だった。

イェッタ
「(あのマンドラゴラのこともあるし…)」



イェッタ
「色々と…決めないとね。」









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