Eno.305 クロタネ  なんかいろいろ - ひかりの森

毎日雨降る学校。

ぎしぎしいう廊下。
ちょっとほこりっぽいし、かび臭くて。

保健室のベッドは固いし、
楽しいことは、図工室と家庭科室が使い放題ってところかな。

町には出れる。
でも、雨が降ったら、かえらなきゃ。
賑やかな町、寂しくなって、結局引きこもってばかり。

ごはんを届けてくれるヒトがいる。
多分そのヒトも、オレと同じ。

そんなところで、ずっとヒトを待ってる。

いやになること、たまにはあるけど。
晴ればかり続くと、雨が恋しくなるし、
にぎやかが続くと、なぜかさびしくなる。

いていいのかわからなくなって、ひとりになれる場所をさがしちゃう。

おばけになったから、そうなのか
元々、オレがそうなのか、わからないけれど。

だれかのひかりで、ありたいと思うけど、
自分は眩しいものが、ちょっとだけ、にがてなのかも。

だけれど、
眩しすぎないような、こもれびみたいな、あたたかな光なら。

そうでありたい。

前にも書いたことはあったけど、
オレは、ヒーローにはなれないし、
まほうだって使えない。

みんなのように、強い力があるわけでも無くて、
子供にできることは、かぎりなくすくないのを知っている。

みんなから、いろんなものをもらい、助けられるのが多いのも。

ひとりじゃ何もできない、あたりまえ。
ちょっともどかしいけれど。

いまは、それでいいのかもって、少し思えるようにはなった。

いいのか、わるいのか、これもわからないけれど。
大きくなったら、みんなの助けになれますように。



思い出屋さん。
なやんだけれど、 いつか、あの人たちのお祝いをするのなら
お菓子屋さんもいいなっておもって。
それに、沢山の思い出をかざれるなら。

ねえ、もし本当に叶うなら。

帰ったら、一歩、外に出てみようと思う。

時間はいっぱいあるからさ。
オレの事見て、オレを覚えてくれるヒトをさがすの。

会えるかわからないけれど。

探さないよりは、ずっといいじゃんさ。

夢は、ゆめのままで
そうおもってたときもあるけど。

今は、叶ってほしいから。


みんなはどこにかえるんだろう。








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