Eno.113 メリジェ 19:ランドラからの手紙 - まぼろしの森林
メリジェ
「ありがとお、もうすぐ帰るねえ、……」
「ありがとお、もうすぐ帰るねえ、……」
ハナコたちから頼まれていた、空藻も5つ集まった。
そろそろ帰る準備をしなければならない。お祭りが、もう近いのだ。
メリジェ
「はらぺこちゃんとももうすぐお別れだねえ」
「はらぺこちゃんとももうすぐお別れだねえ」
メリジェ
「……?」
「……?」
はらぺこは、いつも手紙を書いていたメリジェを真似したのか。
はらぺこ
「(シュババババ)」
「(シュババババ)」
はらぺこ
「ドラ〜」
「ドラ〜」
メリジェ
「えっ、はらぺこちゃん、あたしにお手紙書いてくれたのお!?」
「えっ、はらぺこちゃん、あたしにお手紙書いてくれたのお!?」
短い腕を振り抜いて、その紙飛行機をふわりと飛ばす。
いつもメリジェがしていたように。
メリジェ
「……読んでもいい?」
「……読んでもいい?」
はらぺこ
「ドラ。」
「ドラ。」
めりじぇ へ
いつも おてがみ かいてたから
まねを してみます ランドラ まねっこ すき
たくさん ぼうけん したね
いっしょに ごはんたべたり ランドラは つちだけど
おはなも たくさん さかせたね
おさんぽも おやすみも たのしかった
でも いちばん よくみてたのは おてがみを かく すがた
かみひこうき とどくたびに めりじぇ うれしそう
じつは めりじぇのこと むかし みてました
このしまで おはな そだててたね
まえより あかるく みんなと わらっていた
そんな いんしょうです ランドラも うれしい
はらぺこ なまえ すきです
めりじぇに つけてもらって とても めりじぇらしい おもいます
また つぎに ひとに ついていくとき
この なまえ よんでもらえたら めりじぇのこと おもいだします
だから しんぱい しないで
めりじぇも げんきでね
ランドラの はらぺこ より
その手紙を受け取ったメリジェは、
ランドラの短くちいさな手を取って、握手をした。
メリジェ
「こちらこそ、ありがとお!」
「こちらこそ、ありがとお!」