Eno.742 ツルハリ  Awaken - ひかりの森

鉄の牙に絡め取られた次いで背中に衝撃を受け、畳み掛けるように激しく地面と衝突する。

飛び方も忘れて静かにもがいた。もがいたけれども、その行為は逆効果だったらしい。
牙はより深く左脚に食い込んだ。苦痛が増していく。
それから視界は徐々に暗闇の中へと落ちていって――……暗闇の中は、凍えるように寒い。

――寒い。寒いのは……暗いのは、いや。

力を振り絞って仰いだ。その視界に、最期に捉えたものは何だったか。


(……嗚呼、とても)

輝いていて、温かかった。


※これは再掲記録です。ログ消されちゃったので。








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