Eno.414 煤かぶりのドゥリズル  記録00 - いろどりの山道

(録音開始。)


キスリング
「やあ。環境フロア、珪鏡のキスリングだ。
 毎度お馴染みだが今回もその眼を借りたくてね。
 先日カフェテリアで話した空島の件、君の気が変わらない内に言質でも取っておこうかと思って。」


ドゥリズル
「オマエにカードキーを渡した事ヲ最近後悔している。」


キスリング
「そう言うな。君、大口の納品はもう済んだそうじゃないか。
 リンデバルト砕岩場のドリルだろう?また羽振りの良い客を味方につけたな。」


ドゥリズル
「リンデバルト砕岩場そのものについては共同研究と言って良イ。
 恩を売りに来タと認識しているが、申し開きは?」


キスリング
「いやいや、そんな。あの案件は貸し借り無しだ。そうだろう?
 だからこれはただのお誘いだ。君にとっては休暇になるかな。」



(コーヒーを飲む。14秒の沈黙。)


ドゥリズル
「滞在が可能なノは多く見積もって2週間。飛行用デバイスとして携行可能なのは3基。
 機械フロアへの還元は特に無シ。」


キスリング
「環境フロア側からの情報提供を冶金フロアに流すことが長い目で見て機械フロアの益になる、と考えて貰えると助かるかな。」


キスリング
「環境エーテルを解析して天脈図を引きたい。当面の目標はそれだ。
 完成後に生態系、水脈、地脈、マナを分野ごとに投げる。
 デカいプロジェクトだろう?
 ここに君があのエーテル観測機を売りつければ払わずにはいられないだろう。」


ドゥリズル
「オマエ自身をいい加減信用しなイでもない。請けテやる。契約書は以前の物を日付だけ変えて出シておけ。帰還後に請求する。」


キスリング
「やったね。恩に着るよ、ロロ。
 そうだ!バデルブロングオロポのコーヒーが入ったそうだ。ついでに奢ってあげよう。」


ドゥリズル
「それ何かノ糞の奴だろ。いらん。」



(録音を終了。)








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