Eno.305 クロタネ *誰かによる都市伝説或いは噂の考察 - ひかりの森
死者に会いたいと願う人と、不幸に巻き込まれた人。七人ミサキのように入れ替われるように。
生者は死者として、死者は生者として、
お互いに目的が果たせるのなら越したことはない。
死者となった生者は、怪異としてまた入れ替わりを狙うのかもしれないし会いたかった死者との再会を果たせて…ということもあるかもしれない。
こういう話のほうが、都市伝説として成り立つのではないか?
いくつかの噂や都市伝説を集めることで、新たに生まれる都市伝説などはあるのだろうか?
都市伝説に出てくる怪異は本当に存在するのか、あるいは生み出すことは可能か。
会いたい人物に会える廃校舎。
僕はたしかにそこで、友人に会えた。
けれど一瞬の出来事のようで、まるで夢だったかのようで。
彼はこちら側に戻ってきてはいなかった。
あの廃校舎はあの世なのだろうか。
それは、廃校舎に置かれたノートの数ページ。
少年は、見覚えのある文字に、少しだけ暗い表情を浮かべました。
ああ。
自分だけではなかったのか、そういう風に思いました。
けれど、それ以上はわかりません。
少年が理解できるほど、簡単な内容ではありませんでしたから。
ただ、わかったのは、
自分以外にも
死んでしまった、『茉莉夏』に会いたい人がいるということでした。
そして、その人は、会うために、自分と同じように、この怪異を利用したのだと――
「オレもあいたかったなぁ。茉莉夏兄ちゃんに」
「藤の見える崎 鉄の山」
「オレの名前は――」
生者は死者として、死者は生者として、
お互いに目的が果たせるのなら越したことはない。
死者となった生者は、怪異としてまた入れ替わりを狙うのかもしれないし会いたかった死者との再会を果たせて…ということもあるかもしれない。
こういう話のほうが、都市伝説として成り立つのではないか?
いくつかの噂や都市伝説を集めることで、新たに生まれる都市伝説などはあるのだろうか?
都市伝説に出てくる怪異は本当に存在するのか、あるいは生み出すことは可能か。
会いたい人物に会える廃校舎。
僕はたしかにそこで、友人に会えた。
けれど一瞬の出来事のようで、まるで夢だったかのようで。
彼はこちら側に戻ってきてはいなかった。
あの廃校舎はあの世なのだろうか。
それは、廃校舎に置かれたノートの数ページ。
少年は、見覚えのある文字に、少しだけ暗い表情を浮かべました。
ああ。
自分だけではなかったのか、そういう風に思いました。
けれど、それ以上はわかりません。
少年が理解できるほど、簡単な内容ではありませんでしたから。
ただ、わかったのは、
自分以外にも
死んでしまった、『茉莉夏』に会いたい人がいるということでした。
そして、その人は、会うために、自分と同じように、この怪異を利用したのだと――
「オレもあいたかったなぁ。茉莉夏兄ちゃんに」
「藤の見える崎 鉄の山」
「オレの名前は――」