Eno.67 チーバイシーア  一匹語り - ひかりの森

「ちょっと聞いてくれよ」

「俺たちのやる渡りってよ、時間が曖昧になるだろ」
次元の壁を飛び越えて、異世界へと渡る術。
人の理から外れた者たちが使える、異能の一つ。そこで、牧羊犬は一つの仮説を話す。
「俺考えたんだよ」

「羊どもの枷がたまに外れる理由って、今後どこかで"そう"なるからじゃねえのって」

「未来の干渉があったとしか言えねえ」
世界と世界の狭間は今であり、過去であり、未来でもある。そう犬は語った。
とはいえ、意図的に未来へ行くのは禁止されている。

「……ま、検証の許されない仮説だ。生きてりゃそのうち分かるか」








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