Eno.101 ピーピャ・メルシア  『白百合の悪魔憑き Ⅲ』 - はじまりの場所

出会った悪魔のメモ
・エリー(ENo.325)
契約は職人向き。竜の国の出身。
眷属化が可能。眷属になると一生を養われるし、あちらの世界に行くことになるそう。
正直竜の国は面白そうだけど養われるのはちょっと。
あと弟置いてくることになるし。なったらなったでいいか。
性格は悪魔らしいけど善良だと思う。騙して餌にしないし。
今度出会ったらお茶会がてら白百合のことについて話す予定。


・ルーカス(ENo.3)
契約は募集していない。募集していないのならしょうがない。
真面目な悪魔。楽器を召喚し演奏することができる。
悪魔とは思えないほどしっかりしている。


・ワーカーホリックの人(ENo.123)
七つの大罪の憤怒を司っている。
1日20時間勤務してたら強制休暇を言い渡されてここに来ている。
契約の話、そういえば持ち掛けていないな。
いやだって……なんか、めちゃくちゃ仕事することになりそうで……


・ランドウ(ENo.191)
まだ幼い悪魔。姉がいる。
契約はしたことがない。契約はしないけどお友達にはなった。
あまり自分がどういう悪魔かを理解していない、という感じがする。
どういう契約で利益をもたらすのかが分からない契約はちょっと。


・ヴィヴァーチェ(ENo.568)
魂とは契約せず、掲示された条件を満たせば契約となる、ちょっと変わった悪魔。
対価は願いを叶えてくれる。
別にこれ! といって叶えたい願いはないし、真理の追究はそういうのじゃないし。
愉快で天真爛漫。悪魔らしい性格をしている印象はある。



ピーピャ
私に都合のいい悪魔が見つからないわ

ピーピャ
「もっとこう、悪魔らしい力が使えるようになるとかさあ」

ピーピャ
「ただでさえ、『こいつ』のせいで詠唱を封じられているんだから」


そしたらコイオスと契約することになった。
コイオスについてはまた次回。





悪魔じゃない人の交流メモ
・シン(ENo.77)
アイス屋さん。双子の弟がいる。弟は大食い。弟の話を聞いているとルークを思い出す。
『魔術』ではなく『魔法』を使う。記憶しているものを作り出せるが、作り出すものは全部冷凍されるらしい。
シンはこの力が好きじゃない(好きになる途中)。
望んで得られた力でもなく、こういった力を得た人は魔法に振り回される傾向があるらしい。

世界再編が起きたり星が降り注いだり、心臓が星の欠片と入れ替わったりしているそう。
ちゃんと生きる気はあるみたいでよかった。


・キョウスケ(ENo.1)
飴ちゃん狂。馬刺し(タレなし)の飴はどうかと思う。
美味しかったけど。何で美味しいんだよ。

でも案外思慮深いし、よく悩んでいる素振りを見受けられる、気がする。
私の境遇を聞いて、複雑そうにしていた。
特に『心』について、思うところがある、気がする。あくまで気がするだけ。


・カルセドニー(ENo.265)
喧しい。本当に。声量的な意味ではなく。
カルセドニーは偽名。人を輝かせる術が得意で、その名を望まれて名乗っているらしい。
その内魔法に関するお店を開くとのこと。
悪魔との契約をなんとかしてくれそうだけど、こいつの手を借りるのはちょっと……


・コージローとマコ(ENo.469)
基本的に一緒に居る。
マコの方は謙虚で慎ましく、好感が持てる。
コージローの方は思慮深く落ち着いている、といった印象。
話している感じ、良識はある。


・不思議生物(ENo.682)
真っ黒でドラゴンみたいな子。
人間に良くなついていて、いい飼い主がいるらしい。
人語を理解できて、好奇心もある。
飼い主は見当たらなかったけれど、見ている感じ心配はなさそう。


ピーピャ
めちゃくちゃ増えたわ。
 長くなってきたから続きはまた次回纏めるわ」









姉貴は何に対しても恐れない人だった。
悪意を向けられても冷静に対処し、想定外が起きても動じることはなかった。
何があったとしても、真理を追究するという軸からブレず、屈することはなかった。



ピーピャ
「……この依頼。 
報酬が安いからか、随分と貼られて日が経っているわね」

ピーピャ
「面白い。ちょっと付き合いなさい、ルーク」



こんなスタンスだから、今に至るまでなかなかパーティを組むことができなかった。
わざわざ怪しい依頼に首を突っ込み、報酬目当てではなく『真実を暴く』ために、
必要のない危険を冒す。

そして姉貴は悪を暴くことが目的ではない。真実を暴き、突きつけることを善だと考えている。
嘘をつかない人間、というわけではない。真理に至るためであれば、あらゆる手段を利用する。

それは、かなりタチの悪い人間だ。





ピーピャ
「―― 結論から言いますと、あなたの娘さんは死んでいました

 
「は……?」

ピーピャ
「山に迷い、そのまま盗賊に攫われたようですね。
 可愛い女性など、それだけで利用価値がありますから」

ピーピャ
「死体はちゃんと保護して連れてきました。
 ルーク、降ろして見せてあげて」

ルーク
「……じじぃ、見んなら覚悟してから見ろよ」

 
―― ッ!



依頼で女性の捜索依頼を受けた際の一幕。
森に薬草を取りに行ったきり戻ってこないという、村の女性の捜索依頼を受けた。
怪我をして動けなくなっていたのか、それともウルフに襲われでもしたか。
村の人たちはそのような予想を立てていて。

……発見されたのは、人間に『襲われた後』の、見るも絶えない姿でだった。


 
ぁ、

 
……あ、……あぁ、あぁ」

 
なん、で……こん、酷いことに……」

ピーピャ
「本来はもっと遠方の街で悪事を働いていた盗賊だったそうですが、
 少々やんちゃが過ぎてこちらへ流れてきたそうです」

ピーピャ
「村への行商を狙った犯行を企てていたそうですが、
 薬草を取りに来ていた娘さんが盗賊を見つけてしまった」

ピーピャ
「口封じと、後はお楽しみ目的だったというわけですね」

ルーク
「…………」



それを、悲痛な顔をして話せば『人間らしい』と思う。
あるいはその真実を誤魔化してしまうことだってできただろう。

けれど、姉貴はそのどちらでもなく、にこやかに言い放った。


ピーピャ
「よかったですね」

ピーピャ
我々の手によって、あなたの欲した真実にたどり着けました

ルーク
「――、」

 
――ッ



悪意? 皮肉? そんな人間らしいものではない。

本気で善だと疑わないが故の一言だ。


 
……ざ、けるな、」

 
ふざけるな! 何が良かっただ!
 この子はまだ結婚して間もない、これから幸せになるはずだった!
 これからも穏やかに村で暮らしていくはずだった!

 
「それが賊にやられて、こんな姿になって……
 痛くて、苦しくて、やりきれなくって、なのになのに、
 お前は、真実にたどり着けて良かっただと!」

 
ふざけるな!
 真実よりも大切なのは、この子の命だ!!

ルーク
「…………」

ピーピャ
「―― それでも」

ピーピャ
「盗賊に襲われて死んだ。その真実は変わらない。
 私たちの受けた依頼は『女性の捜索』。
 私たちが恨まれる筋合いはない

ピーピャ
「だけど、あなたにとってはこの怒りを向ける矛先が必要。
 それは正しく、然るべき場所に向けられるべきだわ


―― 悪魔憑き。そんな噂が出回っている。
魔術師が調べれば、偽であることくらいすぐに分かる。
盗賊ギルドなんかは悪魔憑き『ではない』と知られていながらも悪魔憑き『だと』呼ぶ。
理由があるとするならば。


ピーピャ
「盗賊は無力化して縛っております。
 お好きになさることができるでしょう」

ピーピャ
村の宝物を奪った悪人どもをどうするかは、
 あなた方のご自由ですよ



この人が、本物の悪魔のようだから。
それ以外に理由はないだろう。








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