Eno.295 クラヤミユウシャ  昔 - はじまりの場所

むかしむかし、セカイはイロであふれかえっていました。いつもそばにイロがあったのは、シキサイのかみ「ラカー」のおかげです。

ラカーはひとびとをあいしていました。ひとびとはひび、イロにかんしゃしてゆたかにくらしていました。
しかし、ひとびとはじょじょにラカーのそんざいをわすれていきました。イロがどこでうまれているのか、ひとびとはきょうみをなくしてしまったのです。

ラカーはかなしみました。シロとクロでこうせいされた、おおつぶのなみだ。ラカーのなみだははだをつたい、てんからちへおち、そまっていき、ついにセカイはシロとクロだけになってしまいました。

ひとびとは、ラカーとイロをしんぱいするどころか、おそれ、じゃしんとしてあつかうようになりました。
だれもほんとうのラカーをおぼえていないのです。

イロをうしなわないように、あおみどりのみずをサカズキにいれ、あかむらさきのほのおをランタンにともし、きいろのほうせきをたからばこにいれました。
ひとびとはわすれないようにどりょくしましたが、いつしかイロとラカーのそんざいは、キンキとしてつたえられるようになったのです。

しかし、そのキンキすらもひとびとはわすれました。
……コウボウノマオウがイロをしるまでは。








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