Eno.92 ハツカ・セイヨウ  剪定 - はじまりの場所

――とある所に、小さな一匹の鼠がおりました。

その鼠は力もなく、飛ぶ翼も無く。
唯一取り柄なのは己の足腰の丈夫さと賢さだけ。

その鼠はその足で四方八方へと向かい。
あの手この手を使い商談をまとめあげ。
いつしかお金にも困らなくなりました。

しかし、お金に困ってる人は気が付けばいっぱいいます。
そこで、賢き鼠は困ってる人にお金を貸すことを始めました。
お金を返す時に、ほんの少し上乗せするようにとだけ伝えて。

そうして、お金が返ってくれば。
いつしか手に持っていたお金は二倍、三倍に膨れ上がっていき。
やがて子孫を養いながら、一つの大きな会社へとなりました。
それがトウヨウバンクの始まりです。



ハツカ
「おっはな!おっはな!
 元気に育て~っす!」


ハツカ
「大きくなったら剪定もしなきゃっすね~」


ハツカ
「……。」



ハツカ
「さ!今日も花を売るっすよ~!」









<< 戻る