Eno.469 嘘吐きと羽付き  或る音声記録 4 - はじまりの場所

 対象:斉田冴
 記録者:守屋芽衣
 ギャラリー:斉田優弥、天良梛



「聴衆になぎせんぱいがいるのに、インタビュイーはボクなの???
 コラムニストの方が適任なのではなかろうか。非常に訝しんでいる」

 \サエぴのプレゼン聞きたいって/

                      \オレは好きだけどな、冴の言葉選び/

「どうなっても知らんが……???
 というか、コレってマコマコ用のインタビューって聞いており。
 人選がどっちかというとコージロー向きな気がしなくもない。なにゆえ?」


 \サブカルと呼べそうなモノに詳しい奴/

             \それでいうと俺微妙だけど/

 \ネットロアは毛色が違うか?/

                     \梓が来る予定だったんだよなホントは/

 \最悪偏見無けりゃ誰でもよかったし/


「とにもかくにも、今回ボクはここで、
 メイに貸してもらったラノベのご紹介をしなくてはならないようだ。
 これ、確か マコマコの異能のもとになっているかもしれない話でしょ」

「作者は塵芥珪砂、けっこー色々作品出してる人っぽいな。
 紹介するのはその中でも『Seem Dream Catcher』っていうタイトル。
 音声記録とるにあたって全力でネタバレしてしまうのだが、
 これから読む予定という者はいなくて、知らない人もいないと思ってよい?」


             \俺は読んだことないな/

                           \読んだことあるわオレ/

 \俺はサエぴに教えた側だぞ/

              \ネタバレ厳禁な奴?/


「あんま先知らないで読んで欲しいタイプではあったやも。
 とはいえ、これから読むぞ! という者がいないので続けてしまおうか。
 オープニングの雰囲気はめっちゃボーイミーツガールなんだよ。
 三人称視点の文章で、いかにもフツーっぽい主人公の男子が、
 いかにも訳アリっぽいヒロインと出会う奴。
 何故か知らんけどドロッドロに泥まみれにされてた女子と、
 夏休みに真夜中の校庭でばったり出会って、
 互いに顔を合わせないようにしながら喋るのがファーストコンタクト。
 それでポツリポツリと話したり話さなかったり、
 ほんのり打ち解けたあたりでいかにもアヤシげな黒服がヒロインのお迎えに来る」

「その後、ヒロインは隣のクラスと発覚。
 他のクラスメイトから定期的によくない目に遭っていたり、
 いつも黒服の監視がついていたり、
 まぁ何かありそうな描写が色々と出てきたりしつつ、
 さらには主人公に妙な助言とかをしてくるようになったりならなかったり」

「そのヒロインの持ってた力っていうのが、予知能力だそうな。
 眠る前に具体的な人間を思い浮かべることで、
 そいつに対する 最も起こる可能性の高い未来を視る。
 丁度マコマコが日記を遺すために使った力と一致している。
 もちろん代償部分も一致、使えば使うほどヒロインは周囲の人間に敵視される」

「そのヒロイン……およびヒロインを監視してる黒服は、
 どっちかというと悪い奴ではないよ、少なくとも良いコトに使う目的ではある。
 けど良い奴等とも言い難し。あの異能を繰り返し使わせてる奴等でもある。
 ヒロインの予知夢能力を調べようとしてて、
 舞台になる町で連続殺人が起こると『夢』を通して知られてる。
 それがマジなら、なんとかしなきゃならんね~ っていう話になったり。
 だから物語としてはしばらく二重構造になるやも。
 主人公目線のほんのり不思議な日常と、ヒロイン目線の非日常めいた実験・調査で」

           \その黒服、認識汚染は効かないのか?/

「んや? ヴァリヴァリに効いてるね。能力者はヒロインしか出ていないため。
 効いてるけど、そうなるって分かってるからギリ取り乱してないって感じ?
 それに最初の方は、認識汚染もそんな酷くなかろうし。
 あと、ヒロインの書いた文字には認識汚染が起きないから、
 つまりは筆談とかはできるって訳。
 これもマコマコと同じだね、だからこそユウ兄ちゃんも日記は読めた訳であり」

           \確かに、言われてみるとそうだな/

 \マコの亡骸の認識汚染は効いてたのにな/

「ちなみに主人公は『嫌悪』っていう感情が希薄だったため、
 認識汚染があんまり意味成してないような状態だったとのことだね。
 というか全体的に感情があんまりなさそう。
 だからこそ、嫌われがちなヒロインと分け隔てなく接することができたり。
 なんだけど、ヒロインと接してるうちに少しずつ変わってきたりするようだ」

           \主人公が普通かどうか怪しいけど/

「ところで予言通りに連続殺人が発生して、
 黒服たちが順次ターゲットにされていき、
 その犯人がこの人の心の薄い主人公であるからして。
 実はこれが上巻のどんでん返し要素だったりするのだけれども」

          \お前これ絶対ネタバレしちゃダメな奴だろ/

 \だからサエぴ、最初に聞いたんだよな/

                        \ネタバレ平気かどうかをな/

 \でも全を知った上で二周するのも良いぞ/

          \ちょっとおもしろそうなのやめろよ/

「終盤は、この感情が薄い筈の主人公の葛藤等々が出てくるのだが、
 なんかちょっとユウ兄ちゃんが興味持ってそうだし、
 これ以上の楽しみは取っておくことにしてもよろしいか?
 オリジナルを通してマコマコの能力を考える、という部分でいうならば、
 きっとここまでで十分と思われる」

「そんな訳でメイのレポートの上で、
 マコマコが生きていた時に持っていた異能について、
 『珪砂式ケイサシキ予知夢ドリームキャッチャー』と名付け、記録することになっているらしい。
 名前の由来はタイトルの方になるんだろうね。
 本来のタイトルは、作中でそこそこ出てくるフレーズを意訳したものだろうと思う」

「他のタイトルや概念が混ざってる気配は、あんまりないらしく。
 そんなわけで、能力の特定はそんな難しいものじゃなかったとかなんとか。
 なんなら、読者のメイやナギせんぱいは、マコマコの予知夢の話を聞いて、
 一瞬で これじゃね? ってなってたもんね。なぜなら発動条件と代償がビタリと一致。
 予知というか未来の解釈も おおむね一致。
 他の能力者、魔法使い、妖怪等々に汚染が効かなかったところだけが変化球だった程度」

「『トクベツな者』だけが、ヒロインを『見る』ことができる。
 そういう構造にしたかったんだろうとボクは勝手に思ったね。
 ただ、その『トクベツ』の定義だけが、マコマコの力と基になった本でズレていたのかも」


……。

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