Eno.489 オズワルド  05 Regret - はじまりの場所


「――、」



「――、」



「オズワルド」



「静かな夜ね、月も無くて真っ暗
 お陰で星が綺麗だわ」



「眠れないのですか?」



「それは貴方も同じみたいだけど
 昔は寝つきが悪いこともなかったでしょう
 お仕事、無理してない?」



「いいえ、私が望んでしていることですから
 辛いと思ったことはありません」



「そう……
 ねぇ、眠れるまでお話ししましょう
 ひどい顔色してるわ」



「……もちろん、構いませんよ
 今日はどう過ごされました?」



「本を読んでたわ、他にすることも無いし
 本当はスコーンでも焼こうかと思ってたんだけど」



「すみません、退屈させてしまって
 料理の材料を揃えておきましょうか」



「いいわ、だって、もうそろそろ終わりなんでしょう?

 あとはね、小屋のお掃除をしたり、外のお花畑を見ていたの
 ほら、夜でも綺麗なのよ」



「……ええと、私にはよく見えません
 今日は月明かりが乏しいですし」



「…………
 ふふ、そうよね」



「ね、オズワルド
 いつまでここにいるの?いつ帰るのかしら」



「……貴方は帰りませんよ、あちらの世界には」



「そう……?じゃあ……」



「貴方に為ればいいかしら」



「やれるものならどうぞ、やってご覧なさい
 貴方、死に体で私のレリックに取り憑いてやり過ごしていたみたいですけど
 もういくらも力は残っていないのでしょう」



「それはそちらも同じだ悪魔狩り
 喰い散らかしてやったお前の魂でどれ程抵抗出来ると思っている」



「お望みならお見せしましょうか」



「――、」



「全能の神、天と地の主よ
 御子の御名によって、あなたに祈り奉る」



「はははは、悠長に祈っていていいのか
 この間のようにあの糞忌々しい力を使う余力すら無いか?!
 あぁそれとも!貴様の魂にこびりついたこの女の姿が余程恋しいと見える!」



「此の方に及ぶ闇の力、
 あなたの御心に反する悪しき者を退けられますように」



「ふ、ふ、どうだった、え?
 最期に愛しい女と会えて嬉しかったろう
 貴様がその口を閉じるなら夢心地のまま死なせてやっても構わんぞ」



「あなたの光と真理によって、この場を満たし、
 悪しき者の企てから我らを助け給え」



「おい、おーい、聞いているのか
 ……あー、クソ、溶けてきた しっかり効きやがる、胸糞悪い奴の名前出しやがって
 もういい、もういい、離せ小僧
 このメスの頭蓋を叩き割る覚悟も無いんだろ
 何だ?じっくりことことお祈りで溶かした悪魔でも作るつもりか?
 おーーーい」



「……はぁ、」



「オズワルド、」



「我らはあなたの守りの御下に、あり……、」



どうしてあの時、助けてくれなかったの



――っ!



「              
       あはっ       
               」









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