Eno.489 オズワルド 02 Relic - はじまりの場所
『オズワルド・ブラッドショー、貴方にレリックを授けます
今より正式に、悪魔狩りとしての力を発現することとなります
貴重な遺物の授与に伴う責務をよく理解するように』
悪魔狩りを生業とする教会で施された、長い長い儀礼の内容を要約すると、
大体これくらいの意味合いだったかと思う
世間から秘匿された組織を探し出すのには随分と骨を折ったが
貴重な遺物であるはずのレリックは、案外すんなりと譲り受けることが出来た
鏡の前でシャツを肌蹴れば、左胸の位置に仰々しい紋様が浮かんでいるのが見える
儀礼を行う前までは無かったはずのそれを指でなぞった
ようやく、夢の中にいるような覚束ない思考へ、現実感が降りてくる
あの日、悪魔が全てを壊していった
その中で自分だけが残された
左胸に打ち込んだ聖遺物には、あの化け物を討ち滅ぼす力がある
…………、
どうしてか高揚も歓喜も無かった
凪いだ胸中は相変わらず揺らぎもせず横たわっていて
その理由は自分が一番良く知っていた
悪魔を斃しても亡くしたものは戻らない
どれほどの敵を斃しても、どれほど繰り返しても
それでも
私は、私が独り残された理由が知りたい
「綺麗ね、外の花畑
もう随分寒いのに元気に咲いてるわ」
「エノメナというらしいです
一本一本はすぐに散ってしまうのですどね
この庭園の花は生命力が強いようで」
「どうしてここに拠点を建てたの?」
「なんとなく……人通りが少なかったので
それと、まぁ、景色も」
「ふふ
二人でエルダーフラワーの咲いてる丘に
ピクニックに行ったこと、覚えてる?
貴方がサンドイッチを作ってくれて」
「覚えてますよ、
確かBLTサンドと……」
「あと、キュウリだけのね!
ね、外でピクニックしましょうよ
今からサンドイッチを作って
ちょっと寒いでしょうけど」
「サリア、外は……」
「どうして?」
「……危ないですから」
今より正式に、悪魔狩りとしての力を発現することとなります
貴重な遺物の授与に伴う責務をよく理解するように』
悪魔狩りを生業とする教会で施された、長い長い儀礼の内容を要約すると、
大体これくらいの意味合いだったかと思う
世間から秘匿された組織を探し出すのには随分と骨を折ったが
貴重な遺物であるはずのレリックは、案外すんなりと譲り受けることが出来た
鏡の前でシャツを肌蹴れば、左胸の位置に仰々しい紋様が浮かんでいるのが見える
儀礼を行う前までは無かったはずのそれを指でなぞった
ようやく、夢の中にいるような覚束ない思考へ、現実感が降りてくる
あの日、悪魔が全てを壊していった
その中で自分だけが残された
左胸に打ち込んだ聖遺物には、あの化け物を討ち滅ぼす力がある
…………、
どうしてか高揚も歓喜も無かった
凪いだ胸中は相変わらず揺らぎもせず横たわっていて
その理由は自分が一番良く知っていた
悪魔を斃しても亡くしたものは戻らない
どれほどの敵を斃しても、どれほど繰り返しても
それでも
私は、私が独り残された理由が知りたい

「綺麗ね、外の花畑
もう随分寒いのに元気に咲いてるわ」

「エノメナというらしいです
一本一本はすぐに散ってしまうのですどね
この庭園の花は生命力が強いようで」

「どうしてここに拠点を建てたの?」

「なんとなく……人通りが少なかったので
それと、まぁ、景色も」

「ふふ
二人でエルダーフラワーの咲いてる丘に
ピクニックに行ったこと、覚えてる?
貴方がサンドイッチを作ってくれて」

「覚えてますよ、
確かBLTサンドと……」

「あと、キュウリだけのね!
ね、外でピクニックしましょうよ
今からサンドイッチを作って
ちょっと寒いでしょうけど」

「サリア、外は……」

「どうして?」

「……危ないですから」