Eno.458 リシェル・ヴァイスハウプト  ほしふる洞窟にて - はじまりの場所

「そういえば」
と、寝袋の中でわずかに姿勢を起こす。
この辺りは湧き水が澄んだ地下水脈につながっている、とどこかで聞いた記憶がよぎった。

手近な水面へ指を伸ばし、掌で静かに掬い上げる。


「生水だけど、まあ問題ないか」

自分の生物構造オーダーメイドなら海水でも泥水でも代謝処理できる。
そんな事実を事務的に思い出しながら口元へ。

ゴクッ。
喉を通る冷たさが、今日一日の疲労の奥にすっと染み込む。


「……悪くない。ミネラル比率も安定しているね」

研究者めいた感想を微かに漏らし、再び寝袋へ身体を沈めた。








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