Eno.380 黒羊の欠けない月は  Ps.03 『枝を、葉を、風に』 - はじまりの場所




水は流れて、地を空を巡る。
此処には、雨が降る。
流転する、生きた世界だ。
若しかしたら、私には。
触れる事も許されないのかも知れない。
だとしたら、せめて。
唯此処で、眺めているだけでも。



ミア
「一人でやるより、
 手伝いはあったほうがいい。
」

(ENo.373 ミ・ミア)

―― 生きる事は、変化する事。
   成長とも言う。
   老いとも言う。
   辿り着く先は、死とも言う。
   それは、永遠の対極。
   個は、刹那の中に在り。
   流転の不浄に囚われて、抜け出す事は無い。――



―― 時間の流れの中に在る者だけに、許される。
   永遠が、どれだけ美しくとも。
   刹那に朽ちる者だけが、手に入れられる。
   願わくば、あなたの元に。        ――



生命とは、穢れ。
永久とこしえの世界は、穢れ無き世界。
どれだけの、豊かな地が広がろうとも。
穢れ無き世界に在るのは、生命を真似ただけのもの。
だから、この生命の世界に在ろうとも。
私が、生命に触れる事など。

だから、か。
だけど、か。
その樹は、空を遮る様に、揺らす。
枝を、葉を、風に、揺らす。





 








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