Eno.465 アレイスタ  再会とまた明日 - はじまりの場所

チェリア
「…………」

チェリア
「……あれ……?
 ここ、グアマン号の中?!」

アレイスタ
「お、起きたか」

チェリア
「兄ちゃん!
 良かった、夢じゃなかった!」

アレイスタ
「ひっさしぶりだなーチェリア。
 背ぇ伸びたなー」

チェリア
「兄ちゃんだって。
 兄ちゃんとじいちゃんが助けてくれたんだね」

アレイスタ
「…………じいちゃんは死んだよ」

チェリア
「…………え?」

アレイスタ
「ごめんな、俺、何もできなくて……
 じいちゃんは、日頃の疲れが祟ってさ…」

チェリア
「…私のせい…?」

アレイスタ
「ちげーよ。あいつらがチェリアを攫って……」

チェリア
「お母さんについて行ったの、私」

アレイスタ
「!」

チェリア
「魔法を習わせてくれるって、じいちゃんから聞いてるって言われて…」

アレイスタ
「だろ? あいつらに嘘つかれて信じちまって…」

チェリア
「嘘じゃ、なかったと思う。
 私がじいちゃんに魔法を習いたいってわがまま言ったから
 じいちゃんの方からお母さんに連絡取ったんだって」

アレイスタ
「え…」

チェリア
「でも、部屋から出してもらえなくなるなんて思ってなくて……
 それは多分じいちゃんもで……じいちゃん、私を探したりして無理したんでしょ?」

アレイスタ
「……………………そうだな」

チェリア
「……私の、せいだ」

アレイスタ
「違う」

チェリア
「じゃあ誰のせい?」

アレイスタ
「いや、こういうのは、みんなが少しずつ悪いんだ。
 チェリアだけのせいじゃない」

アレイスタ
「俺等に何も言わずにあいつらにチェリアのことを相談したじいちゃんも、
 黙ってついて行ったチェリアも、
 チェリアを探すじいちゃんを手伝えなかった俺も」

アレイスタ
「みんな、少しずつ悪いんだ」

チェリア
「兄ちゃん……」

アレイスタ
「でもどう考えても一番悪いのはお前を閉じ込めたあいつらだろ」

チェリア
「そう、かな?」

チェリア
「ねぇ兄ちゃん、ここって…グアマン号の外って、どこ?」

アレイスタ
「招待状読んだんだろ? ハナコには会ったか?」

チェリア
「……うん。そっか、あれも夢じゃなかったんだ」

アレイスタ
「あと、今はこいつ、はらぺこグアマン号じゃない」

チェリア
「店の名前、変えたの?」

アレイスタ
「やっぱ、はらぺこグアマン号はじいちゃんの店だからさ。
 俺が、じいちゃんの腕前くらいになれたら、改めてはらぺこグアマン号を名乗るよ」

チェリア
「そっか」

アレイスタ
「あー疲れた。
 俺が泊まってる宿まで行こう。続きはまた明日話そうぜ」

チェリア
「うん。
 また明日、ね」









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