Eno.380 黒羊の欠けない月は  Ps.02 『でも、それなら、猶の事』 - はじまりの場所




望み、願い。
或いは、欲望。
それは全て、未来を指す。
明日が在ると信じているから、其処に希望を寄せる。
それなら。
明日を信じていないから、希望も無いのだろうか。
それとも。
希望が無いから、明日を願う事も無いのだろうか。



ショコラニア
頼んだぞ。

(ENo.359 ショコラニア・ドルチェ)

―― 生きては居ないのだから、当然なのだろう。
   甘いものも、美味しいものも。
   嬉しい事も、楽しい事も。
   私には無く、あなたにはある。
   羨ましいとすら、思えもしない。
   だけど、でも、だから、でも。
   生きていて欲しい。           ――



―― 甘いものも、美味しいものも。
   嬉しい事も、楽しい事も。
   それを望む事は、きっと。
   生きるという事なのだろうから。     ――



此処に、在る。
過去も未来も無いのだから、在るだけだ。
だから、ひとがそれを望む理由を、理解は出来ない。
外を遮り、隔てるものが生むのは、なんだろうか。
きっとそれは、領域テリトリーだ。
区切る事で、それは己の、自分達の、領域となる。
そうだと、思う事が出来る。
拠り所は、安心というものを、生むのだろう。

でも、それなら、猶の事。
私がそれを、望む事は無いのだろう。





 








<< 戻る << 各種行動画面に戻る