Eno.442 巫伽 惺  やがて陽が明け、再び夜が来る - はじまりの場所

 忘れてはいけない

 覚えていなければいけない

 語り継がなければならない

 だから私は追い続ける

 ……私の走る先に、きっと貴女がいるから

 終わらせなければいけないんだ。新月あのこの幸福のために


 本当に、それでわたしは良いのか?

 このまま新月ニイヅキの亡霊として生き続けるのか?

 別に構わない


 今の私じゃ鈴を守れない。鈴に愛される資格がない

 新月の真似をしていれば、全部上手く行くから

 そうだ。新月みたいに大人っぽくしていれば、いつか

 いつか……新月きみの願いも、叶えられるはずだから

 私は新月の願いにより生きているのだから、亡霊でも構わない

 もっと上手に新月になりたい。もっと上手に新月として振る舞いたい
 でも新月に鈴を奪われたくない

 そうしていれば、今はあまり話してくれない静空ともいずれ話せるはずだ

 何もかもが良く進んで。幸せなまま幕を閉じて、鈴と二人で平穏に暮らすんだ

 それが一番良いに決まってるんだ

 鈴がを見てくれている瞬間が好きだ。惺として、鈴の半身として生きていられる瞬間が今は何よりも
 大丈夫。新月の頃に演技なんて何度もした。いつも通り誤魔化し続けていればいい。それだけ








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