Eno.442 巫伽 惺  そして、執誓 - はじまりの場所

 幸福な物語の続きなんて、みんな同じだ
 どうせ後から、「聞かなきゃ良かった」と悔やむような
 憎悪と絶望で塗り潰されたものがたりとして呆気なく終わらされる
 それが運命。残酷で愚かで、憎くて堪らない存在

 そうなってしまえば跡形も残らない
 勝ち取った幸福だけが切り取られて美談として消費されて
 都合の悪い過去は殺されてしまう

 それでいい
 そうしてくれと思っていたはずだった

 だけど、僕は願ってしまった。望んでしまった


「どうか忘れないでくれ」

「覚え続けてくれ」

「僕が、僕達がここにいた事を。美談なんかでなく」

「あの夜想曲のまま、あの夜明けのまま」

「それがどんなに残酷であろうとも」

「この花を忘れないで」


 こんなの、ただの呪縛にしかならない

 わかってる

 それなのに、僕は手を伸ばそうとした


 
「……どうか、あのそらに響かせた夜想曲を」

 
「あの日の灼熱を、約束を、赫き星を追った旅路を、赤い牡丹一華アネモネを」

 
「焼き付けて、刻み込んで。決して忘れさせないように」


 
出逢いと別れの数え切れない##を重ねた物騙りを、幸せなまま終わらせてバッドエンドになる前に殺してくれ




修正
「終わらせて終わらせて終わらせて終わらせて終わらせて終わらせて終わらせて終わらせて終わらせて終わらせて終わらせて終わらせて終わらせて終わらせて終わらせて終わらせて終わらせて終わらせて終わらせて終わらせて終■■



 決して、運命に殺されぬように








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