Eno.380 黒羊の欠けない月は Ps.01 『だから、此処は、この場所の名は』 - はじまりの場所
夢だけを見ていられれば、幸せなのだろうか。
幸せな幻を夢と呼ぶならば、
それはそうなのかも知れない。
夢ならば、私も見ることが出来るのだろうか。
嗚呼、でも。
幸せがなんなのかなんて、知らないや。

メデューサ
「困り事、いーーっぱいあるよ!!!」
「困り事、いーーっぱいあるよ!!!」
(ENo.379 メデューサ)
―― 神だろうと、ひとだろうと。
己というものを知り、定義しているならば。
或いは、つもりだけであっても。
そう在ることは、そう振る舞うことは、
その個を、"生きている"ということである。
私はきっと、生きては居ないのだろう。 ――

―― あなたは、あなたを、生きている。
あなたが、ひとであろうと。
神であろうと。 ――
見渡す平原。
遠く、誰かが、旅人が、ただ過ぎ行く。
ひとと供に、時と供に、空の色は移ろう。
きっと、この空は"生きている"。
そうだ、この空の下に在るならば、せめて。
生きる真似事を、してみようか。
日々を暮らし、幸せを夢見る様に。
だから、此処は、この場所の名は。
