「これで連絡ぽちっと…。聞こえてるかー？」

『はいはーい。あ、キャロ？どうしたの？』

「シルト～。美味いリンゴ見つかったか？じゃなくて！今、あの破壊魔いねえか！？
重要な話があってな…」

『え？キャロの口から重要だなんて珍しいね。
おいしいリンゴ…あのね、カエレ村ってとこのリンゴがおいしいよ！』

「なんだよ、その追い出すような名前の村！大丈夫なのか！？」

『大丈夫だよ～。依頼でもお世話になってるし、村人は優しいもん。
あ、それよりこの持ち主に用があるんだよね？
今日帰るの遅くなるっぽいよー。聖域で聖魂夜祭せいこんやさいやるんだってさ』

「何だよその祭り！？聖域ってどこ！？」

『さあね～』

「あ、シルトには一応伝えとくわ。実はな――」

『――それ本当！？聞いたらビックリするんじゃないかな！？』

「オレも正直びっくりしてるぜ。あ、じゃあアイツに伝えといてくれ。
戻ってきたらこの魔道具で話しかけて来いってな！」

『いいよー。じゃ、またね！キャロ！ミールリス♀よりいい女の人見つけないでね！』

そうして音は途切れた。
世の中ホント何があるか分からないもんだぜ！