Eno.109 真上シンヤ 空の庭園歩き。 - はじまりの場所
色々説明を受けた。
ポータルになった招待状の時点で見たことない技術だと思ったけど……
それ以上に、思った以上に、"色んな"人がいる。
他の星の人とも違う、スペースポートよりもっと混然とした場所。
ここが空に浮いている島って時点で俺には何が何だかだけど。
それでも話しかけてみれば、嫌な顔しないで答えてくれる人たちだ。
何とかやっていけるかも。
どんな人と話したかは……詳しくは、帰ったら思いだしながら話したいな。
小さいドラゴンみたいなやつ、ちょっと気になるアンドロイド、
生きた楽器を弾く海賊……あれ、ここって海あんのかな?
それに二足歩行で話もできる、動物とはまた違う……
ああ、狼人間の狼じゃない人とか。
なにかはわからないけどふわふわした耳を持っている人や、ツノのある人。
それから、食べちゃいけないって花を使った激辛カレー。
ああ、この世界の花は不思議な力を持っているらしい。
育つ速さも驚くんだけど、咲いた花でなんか……
なんか使えるようになった
冒険の息抜きに……って書いてあったけど
そう言う人にとってはここでも、になるのかな
その力で、そのー、うん。
姉さんは驚くと思うけど、戦いました。
いや、でも、石が何度も飛んできて痛いし、ニワトリはつついてくるし
追い払う……そんな感じで。
それから空の中だからか、上か下か、雲が湧いて
結構雨が降ります。
雨で思い出した。スライムにも二人……一人と一組?会いました。
その人たちは喜んでぷるぷるしていた。
ねこのゴロゴロみたいなもんで、『ととのい』で、感情表現で、
えーっと、あとなんだっけ、
とにかく、スライムのぷるぷるってなんかすごいらしい。
そうやって雨が嬉しい人もいれば、さっき書いたような毛の人たちは
ぺしゃってなるから苦手、って言ってたな。
だから余裕があれば休む時には焚火をつけておくんだけど
昔の"キャンプ"や"バーベキュー"ってこういうのだったのかな
でもみんなどこから来たかわからないし、逆に苦手って人もいると思う。
それで「どうして火をつけるのか」って聞かれたから、
乾かすのと、夜だから安全な場所ってわかるように
そう言ったら尊いとか優しい人、って言われた。
でも俺は、きっと姉さんならそうしただろうなってことをしただけ。
押し花を作るには……大きな本はないかな
いくつか、見せられたらいいんだけど。
……まあ、今のところ、不便はしていません。
ちょっとワクワクしているのも……本音。
それじゃあ、おやすみなさい。