Eno.133 兎耳天使ラビト  学んだこと2 - はじまりの場所

 女の子らしさの強い服を着ることが苦手になったのは、いつからだったでしょうか。
 あれは……確か、7つの頃。

「かわいい服着てるんだから、普通に女の子でしょ」

 どっちつかずの心の性を何気なく友人に言った時に、返された言葉。
 この時、わたしは、親から与えられたかわいらしい服を特に抵抗なく身に着けていました。

 かわいいものは好き。
 けれど、心の性別が完全に女の子というわけでもない。

 女の子以外の性別だったら、かわいい服装をしていてはおかしいのでしょうか。
 かわいい服を着ていたら、心が女の子であると見做されてしまうのでしょうか。

 服装から自分の性質を決めつけられることが嫌で。
 それ以来わたしは、女性用の服であっても簡素なものや、もしくは性別関係なく着られる服を主に着用するようになりました。

 そんなだったので、ロロさんのことがとても眩しく見えて、憧れを覚えたのです。
 心の性別が何であれ、自分の好きなお洒落を楽しんで、堂々としている姿。
 なんて素敵なんだろうって。

 そして、ロロさんとの出会いにより、心が解放されるような感覚を覚えました。
 わたしも、本当に自分が着たい服を着て、堂々としていたいなって。
 自分の芯を強く持って生きていきたい。

 一緒に服を見に行く約束が、楽しみで仕方ありません。
 どんなお洋服との出会いがあるか、わくわくで胸が弾むのでした。



 うにさんとお空を散歩して、内緒話に花を咲かせました!
 わたしの名前……本名……についてのコンプレックスを、聞いてもらって。
 ……とても、心が軽くなりました。

 わたしって、小さなことで悩んじゃってたんだな。
 とは言っても、これは、決して無理に悩みを矮小化しているのではなく。
 もっと広い視野で、別の視点から考えてみたら、短所も長所として活かせるのだという気付きをもらえたんです。

 自分の性質を悲観する必要なんてない。
 わたしは、わたしにできることを見つけていけばいい。

 今までわたしが悩んできた分、誰かの悩みに寄り添えるかも。
 通常の天使の仕様と少しずれている分、わたしだからこそできることがきっとある。

 これまでがそうだったように、これからも、他人からわたしの性質を否定されることはあるでしょう。
 けれど、それに怯える必要なんてない。
 わたしの心の形を否定せず、長所に気付かせてくれた友達と出会えたこと。
 この思い出が、ずっとずっとわたしに勇気をくれるでしょうから。

 他人の目や価値観を恐れず。
 悲観しそうになった時には、視点を変えていくらか楽観的に。
 図太く生きてやります。


ラビト
「わたし、ありのままでいいんだ!」


 








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