Eno.215 ジキタリス 昔の話 1 - はじまりの場所
昔、子猫がまだ子猫のかたちをしていた頃。
高いところが好きなくせに、着地のときドシンと音を立てるので運動神経のない猫だと思っていた。
これは斥候や間諜には使えんな、とか。
降り方を知らない猫に着地の仕方を教えられるわけでもなし。
私が猫ならばできたのかもしれないな、と考えることも多かった。
しかし、ある日私は目撃してしまったのだ。
私がいないところでは子猫は音を立てずに着地しているのを。
もしかして斥候や間諜の仕事がしたくなくて、わざと音を立てて降りていたのかもしれない。
賢い猫だ、と認識を改めた。
あれから時が経ち、子猫はヒトに近い形をしている。
斥候の仕事もしているし、ヒトに近くても高いところから降りるときに音はしない。
だがなぜか私の前に降りてくるときはドシンと音がすることがある。
なぜだ。

高いところが好きなくせに、着地のときドシンと音を立てるので運動神経のない猫だと思っていた。
これは斥候や間諜には使えんな、とか。
降り方を知らない猫に着地の仕方を教えられるわけでもなし。
私が猫ならばできたのかもしれないな、と考えることも多かった。
しかし、ある日私は目撃してしまったのだ。
私がいないところでは子猫は音を立てずに着地しているのを。
もしかして斥候や間諜の仕事がしたくなくて、わざと音を立てて降りていたのかもしれない。
賢い猫だ、と認識を改めた。
あれから時が経ち、子猫はヒトに近い形をしている。
斥候の仕事もしているし、ヒトに近くても高いところから降りるときに音はしない。
だがなぜか私の前に降りてくるときはドシンと音がすることがある。
なぜだ。
