Eno.483 Nagthiral 前日譚 - はじまりの場所
庭園への招待状を受け取り、私は真っ先に所轄の魔伯へと報告を上げた。
何かの悪戯かと思うのは一瞬のこと。
近頃妙に報告のある“異世界”というものへの招待状だろうと、
この世に流通するそれとは成分の異なる紙を手に思い至るのは難しく無い。
──“異世界”の事など、この百年程度のうち滅多に聴く事は無かった。
異世界の生まれだと宣う輩は時折居たようだが、
それが顕在化する事も脅威となる事も有り得なかった。
ただ此処数年、“異世界”の話が妙に増えている。
特に決定的であったのが、森内部ダンジョンに勝手に居ついていた
数十体余りの人間種が跡形も無く姿を消したという事実だ。
調査をしたところあったのは異世界に集団移動した という噂。
人間種など取るに足らないものである。
だが、それが奇妙な動きである事は違いなかった。
「……コンラヴァリア伯にも少し話を聞くべきだったか。」
「まさか此れ程に人間種が溢れかえっているとは思うまい、
どうなっているんだ異世界というのは……」
何かの悪戯かと思うのは一瞬のこと。
近頃妙に報告のある“異世界”というものへの招待状だろうと、
この世に流通するそれとは成分の異なる紙を手に思い至るのは難しく無い。
──“異世界”の事など、この百年程度のうち滅多に聴く事は無かった。
異世界の生まれだと宣う輩は時折居たようだが、
それが顕在化する事も脅威となる事も有り得なかった。
ただ此処数年、“異世界”の話が妙に増えている。
特に決定的であったのが、森内部ダンジョンに勝手に居ついていた
数十体余りの人間種が跡形も無く姿を消したという事実だ。
調査をしたところあったのは
人間種など取るに足らないものである。
だが、それが奇妙な動きである事は違いなかった。
「……コンラヴァリア伯にも少し話を聞くべきだったか。」
「まさか此れ程に人間種が溢れかえっているとは思うまい、
どうなっているんだ異世界というのは……」