Eno.442 巫伽 惺 それはSerenalと名乗っていた - はじまりの場所
やっと見つけた
否、わざわざ出迎えてくれた
でも正直、もうどうでも良かった
あいつの力に頼らないと終わらせられない私が癪になってきた
あいつに頼らなくても私一人で終わらせてやろうとした
本当に僕はそんな事を君に望んだか?
それが私の生まれた理由、新月が私に遺した願いだから
違うよ惺 僕はそんな事君に願ってない!
運命なんか壊さなくても、私は私の手で終わらせなければならないんだ
今もまだ光は遠い
もういい いいんだよ もう君の足で過去を歩まないでくれ
私はいつになれば追いつけるのだろう
君は巫伽惺だ 新月の続きなんかじゃない
いつになればあなたの見た景色へ辿り着けるのかな
もう独りは嫌だよ もう寂しいのは嫌だよ
追いかけていれば、いつかまた会えるかな
新月の後悔を叶えられるかな
ただ惺がいてくれればそれでいいの
ちゃんと新月の代わりになれるかな
証明してくれ 幸福なまま続く物語もあるのだと
今度こそ、物語を幸福なまま終わらせられるかな
「めでたしめでたし。で終わらせて、本当に幸せになれるんですか?」
「可能性を殺して、得られる物は何ですか?」
「鈴の幸福? 馬鹿馬鹿しいな」
「いい加減気付けよ。それこそが鈴の幸福を奪う選択だと」
「惺と鈴はふたりでひとつ。惺 が新月となってしまえば鈴が一人になる」
「……それでも、それが幸福だと信じて疑ってないんだな」
「信じた果てに壊されて、信じる事をやめた奴の願いなんか信じるんだ」
「もういない者の意志に従うほど滑稽な物は無いな」
「……めぐ をまた独りにさせないで」
否、わざわざ出迎えてくれた
でも正直、もうどうでも良かった
あいつの力に頼らないと終わらせられない私が癪になってきた
あいつに頼らなくても私一人で終わらせてやろうとした
それが私の生まれた理由、新月が私に遺した願いだから
運命なんか壊さなくても、私は私の手で終わらせなければならないんだ
今もまだ光は遠い
私はいつになれば追いつけるのだろう
いつになればあなたの見た景色へ辿り着けるのかな
追いかけていれば、いつかまた会えるかな
新月の後悔を叶えられるかな
ちゃんと新月の代わりになれるかな
今度こそ、物語を幸福なまま終わらせられるかな

「めでたしめでたし。で終わらせて、本当に幸せになれるんですか?」

「可能性を殺して、得られる物は何ですか?」

「鈴の幸福? 馬鹿馬鹿しいな」

「いい加減気付けよ。それこそが鈴の幸福を奪う選択だと」

「惺と鈴はふたりでひとつ。

「……それでも、それが幸福だと信じて疑ってないんだな」

「信じた果てに壊されて、信じる事をやめた奴の願いなんか信じるんだ」

「もういない者の意志に従うほど滑稽な物は無いな」

「……